リス族の子供達

ごあいさつ

   さくらプロジェクト代表 三輪隆(近影)


初代さくら寮

タイ北部の山地民の多くは、この1~2世紀の間に、中国、ミャンマー、ラオスなどから移住してきました。アカ族、ラフ族、モン族、ヤオ族、リス族、カレン族などがよく知られています。現在は伝統的な焼畑農業による移動耕作をやめて定住化を果たしつつありますが、政府の森林保護政策などにより耕作地は制限され、山での生活には厳しいものがあります。

農耕で生計を営むことを断念して街に出稼ぎに行く人も増えていますが、学歴がないためよい職に就くことはできません。村やその周辺に小中学校しかない地域もまだ数多くあり、通学のための交通機関もなく、下宿生活をしながら町の学校に通う彼らにとって大きな経済的負担になっています。勉学をあきらめて中途退学し、未成年のうちから都会に働きに出るケースも多く、それらが麻薬売買、売春、エイズなど深刻な問題の原因になっています。

その結果、これまで保持してきた豊かな伝統文化が急速にすたれつつあり、相互扶助的に生きてきた村のコミュニティーも崩壊の危機に瀕しています。これらの問題を解決するには、子どもたちが十分な教育を受けられる環境をつくることが必要と私たちは考えています。さくらプロジェクトではこうした子どもたちのために通学用寄宿舎「さくら寮」を建設、運営し、みなさまからの資金のご協力により、山地民の子供たちの教育をバックアップしています。

といっても、さくらプロジェクトは、ただ貧困ゆえに彼らを支援しているわけではありません。山地民の子どもたちの里親になり、生活や教育支援を通して、ぜひとも彼らのかけがいのない素晴らしい文化と伝統、美しい民族衣装、そのやさしくホスピタリティーあふれる人柄にふれることで、学ぶべきことも多い近しい友人として、心の交流をもっていただきたいと考えています。さくらプロジェクトはそんな実りある国際交流のお手伝いもしています。

いつでも気軽に覗いてみてください。そして、できることからでいいですので、支援の輪に加わってください。よろしくお願いします。

  さくらプロジェクト 代表 三輪隆

  三輪隆略歴

  1955年岐阜生まれ。早稲田大学文学部卒業
  写真家・文筆家。タイ在住31年。牡羊座
  著書に「タイ・黄金の三角地帯」(1989年刊)
  ※三輪隆はペンネーム、本名:篠田隆司

さくらプロジェクトとは

 初代さくら寮(現在は使われていません)


初代さくら寮

さくらプロジェクトは1991年に、タイ北部チェンラーイのナムラット村(当時)で発足しました。その目的は、貧困などにより教育機会を与えられない子供達が教育を受けられるようにすることです。

1990年さくらプロジェクト代表の三輪隆が、芝浦工業大学の名誉教授畑聰一とチェンラーイの地で出会いました。三輪は当時、フリーの写真家として、タイ北部の山地民の村を3年以上かけ回っていて、山地民の言葉や文化に精通しており、畑教授は専門である建築計画学の研究の一環としてチェンラーイ県のアカ族の集落調査をすることになり、その折に三輪がコーディネーターとして同行することになったのです。その時修士の学生として同行した清水郁郎君(現:芝浦工業大学教授)が、今ではさくらプロジェクトの日本事務局長をやってくださっています。

その第一回目の調査のときに、アカ族のメーモン村というところで村人から「子どもたちが教育を受けられるように何とか助けて欲しい」と懇願されたのが、このプロジェクトを立ち上げる直接のきっかけになりました。当時、三輪は東京で会社を経営されていた故・中村清彌氏からミャンマー国境周辺に住む人々のための支援活動資金供与の申し出を受けており、ナムラット村(町の中心部から北約4キロ)に山の子どもたちのための通学用寄宿舎を建設することを提案しました。


 みんなそろっての食事


食事風景

このナムラット村にはユナイテッド・ヴィレッジ・スクール(現在の公称はサハサートスクサー・スクール)という私立の小・中学校があります。60年ほど前にキリスト教の財団によって設立された学校で、学校内に寄宿舎がありタイ北部全域の村からやってきた山地民の子どもたちがここに寄宿しながら勉強をしていました。当時500名ほどだった生徒の9割以上が山地民の子どもたちで、ほとんどが親元を離れ寮で生活する寄宿生でした。学校周辺には欧米などから支援を受けたNGOが運営する寄宿舎がいくつかあり、住民も山地民やNGO活動に理解がある村でした。

三輪がここの校長先生と知り合いだったこともあり、この地に自分たちの手で寄宿舎を建てることになりました。中村氏の個人的な資金提供(約300万円)と、芝浦工業大学畑研究室をはじめとするボランティア学生たちの協力により1991年3月、さくら寮の建設がスタートしました。そして1年後の1992年5月、さくらプロジェクトの最初の寄宿舎である「さくら寮」が完成したのです。以来25年の間に、さくらプロジェクトは15を越える施設の建設、寮運営のほか、学校校舎の建設、水道敷設、古着日用品の配布などさまざまな支援事業を展開してきました。寮の卒業生も400名を超えています。そして2016年には設立25周年の節目を迎えました。


 村で働く山地民


村で働く山地民

25年という年月の中で、タイ社会の状況、山地民の置かれた状況、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してきました。25年前は山地民の人々の中で経済的に豊かな人はほんのひとにぎりで、おしなべて貧しく、財産もほとんど持っていませんでした。しかし、最近ではしょうが、果物、コーヒーなどの換金作物の栽培に成功し、中には平地タイ族の人々より経済的優位に立つ農家も出現しました。また、タイ社会の経済発展の結果、山地民の就業機会は広がり、雇用条件なども向上、山地民の人々の生活も全体としては底上げされつつあります。

しかし、支援の必要な子どもたちがいなくなったわけではありません。経済格差はますます広がり、また、急速な都市文明の流入やテレビ、インターネットなどのメディアによる若者文化の浸透によって子どもたちの心にもひずみが生じています。伝統的な共同体や文化、民族としてのアイデンティティーの喪失、家庭崩壊による子供たちの心の荒廃など、新たな問題も出現しつつあります。さくらプロジェクトの課題も「経済面重視の支援」から「教育の質の向上」へとシフトしつつあります。


さくらプロジェクト設立の目的

 さくら寮 朝の集団登校風景 


集団登校さくら

さくらプロジェクトは下記の4項目に関わる活動を行なっています。

・タイ山岳民族の子供たちの教育支援活動

・タイ山岳民族の保健医療・福祉・厚生・人権保護のための支援活動

・タイ山岳民族の文化・社会活動の調査・研究・保護活動

・タイ山岳民族と日本人の相互文化交流活動

さくらプロジェクの組織

 日本事務局スタッフと2016年来日のさくらっ子3人 


さくらタイスタッフ

☆さくらプロジェクトの組織

さくらプロジェクト 代表 三輪隆
さくらプロジェクト 顧問 畑聰一
日本事務局 代表    風間茂
日本事務局 事務局長  清水郁郎
日本事務局 民芸店担当 岡山豊 岡山陽子
日本事務局 総務・会計 風間玉美

☆日本事務局所在地 芝浦工業大学清水研究室内
〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5
電話 03-5859-8456 ※不在の時が多いですがご了承下さい。
※お急ぎの時はHPの「お問合せ」でお知らせ下さい。



 タイ事務局スタッフ 


さくらタイスタッフ

☆タイ事務局スタッフ 左より
ラッポン・ワタナソンパン(寮父・車両管理・備品担当)
三輪隆(代表・コーディネーター)
ワナサナン・サポン(さくらエコホーム寮母)
タンヤラット・シースワン(経理担当)
ペン・ジャチョン(マネージャー)
シリンタラー・パテ(さくら寮寮母・食事担当)
☆「さくら寮」所在地
SAKURA PROJECT 364/1 M3 B.NAMRAT T.RIMKOK A MUANG C.CHIANGRAI THAILAND 57100
電話+FAX 国際電話になりますが日本語で対応可能です。
+66-53-750560
スマホ(三輪隆)+66-81119455 +66はタイの国番号です



 翻訳ボランティア 写真は2016年GFJのひとコマ 


さくらタイスタッフ

☆翻訳ボランティア

タイ語翻訳

アーサーパン友美子 阪本法子 島村由紀子 清水郁郎 貝瀬花絵
杉本真理子 山岸庸子 村上均 大原美穂 雨窪綾美
水上聡子 カノクワン・アピナンタンサクン
室町亜紀 村田めぐみ 因プロムジット

英語翻訳

貞安実 田尻可納子


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